安倍首相の下での皇統の維持策は旧皇族の復活か?2019年05月06日 15:59

 嫡出の男系男子に限るとする現在の制度ではいずれ天皇の後継者はいなくなる。過去の天皇の半数は嫡出子ではないといわれるものの、嫡出子でなくても良いと側室制度を復活することは現在の国民感情となじまない。とすると男系男子の条件を外すか、過去の皇族を復活するしかない。
 いまどき男性に限るのはおかしいというのが多くの国民の意見であろう。過去に女性天皇もいたので、女性が皇位につくことには反対は少ないと考えられる。ただし、女系の天皇はいなかったとする人達は男系にこだわる。
 過去の皇族を復活させるということに関しては、武烈天皇に後継者が無かったため、応神天皇の五世の孫であるとして継体天皇を即位させた先例がある。もっとも、当時は天皇の子孫は、後世の歴史書は〇〇王と記されていて、皇族と見なされていたので、臣下から皇族への「復活」ということではない。
 継体天皇の時は、実際には王朝が断絶したのだという説もあるが、大和政権以外の勢力が大和政権を打倒して新政権を打ち立てたのではなく、大和政権の有力者が皇統を継続させるために考えた策である。天皇の後ろ楯となる有力者としてそれ以前は葛城氏がいたが、継体天皇即位後は葛城氏のもとにいた蘇我氏が最有力者として現れるようになるという、有力者間の力関係の変化はあるものの、磐井の乱を鎮圧するなどして政権は安定化し、継体天皇の皇統は現在まで1500年続く。
 また平安時代には、いったん臣籍降下していたが周囲の有力者の思惑から再び皇族となり皇位を継いだ宇多天皇の例もある。これら「復活」の例に限らず、天皇の即位に関しては時の政治的実力者の意向によって後継者が決まる場合が多い。壬申の乱や保元平治の乱のように戦乱になった場合もあるが、多くは豪族、貴族、幕府などの意向によって決まっていった。
 現在では国民主権であるから国民の総意で決めればいいということかも知れないが、やはり実際には国民の代表者である時の政権や政権に近い有力者の考えで決まるのであろう。安倍首相は官房長官時代に皇室典範を変えれば壬申の乱のようになると当時の小泉首相に言ったと伝えられるが、テロを起こすような人達がいるということなのであろうか。その安倍晋三氏が今は首相である。皇室典範は変えず、過去の天皇の五世の孫までの旧皇族の復活が結論となるであろう。

コメント

_ 無荒 ― 2019年05月06日 16:49

奈良時代頃には五世の原則成るものがあり皇位から五代以後は即位する権利を喪失した。これを旧皇族に適用しようとすれば明治天皇の内親王が降嫁された家系だけとなりしかも女系になる。

_ 無荒 ― 2019年05月06日 16:49

奈良時代頃には五世の原則成るものがあり皇位から五代以後は即位する権利を喪失した。これを旧皇族に適用しようとすれば明治天皇の内親王が降嫁された家系だけとなりしかも女系になる。

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