朝日新聞の従軍慰安婦事件2014年08月17日 10:22

 朝日新聞は過去の従軍慰安婦に関する記事に誤りがあったとして、取り消しと弁明をした。主な誤りは、いわゆる吉田清治証言が全くの虚言であったのにそのまま信じて強制連行の記事を書いたということと、女子挺身隊を慰安婦と混同した記事を書いたというものである。
 吉田証言については、まずそれを聞いた時点で真相を確認するという記者として当然のことが為されなかったのが不思議である。さらに捏造であることが判明してから今まで記事を取り消さなかったことも理解できない。
 女子挺身隊に関しては全く常識を疑う。当時は研究が進んでなかったなどと言い訳をしているが、誰の研究なのか。研究などしなくても旧制女学校の生徒なら皆知っていたことであるから、周りの年配の者からその言葉を聞いたこともあっただろうし、なければ記事を書いた当時なら聞くことができる人もまだ多くいたはずである。いわゆる従軍慰安婦の数が何十万となってしまったのはこの混同のせいだから罪深い。
 謝罪が一切無いばかりか言い訳ばかりで、他の新聞も似たようなものだったという検証まで付け加える態度には、朝日新聞の品格の劣化を感じざるを得ない。これまで何十年も朝日新聞を読んできた者として情けなく恥ずかしい。
 とはいえ、これをとらえて朝日新聞の首を取ったように歓喜している他のジャーナリストたちもいただけない。STAP細胞事件のときに分子生物学会が小保方氏と理研を批判するばかりで、自分たちの学会の体質についての反省が見られなかったことに疑問を持ったが、今回の朝日新聞事件についても同じ疑問を持つ。
 子供の頃、新聞記者はゆすりたかりをする連中とあまり変わらないから近づかない方がいいと、大人たちが言っていたのを思い出すが、大新聞はまっとうなことを書いてくれるものだと思うのは、いまだに幻想であるのだろう。